別冊少年マガジン 2019年12月号に掲載されている進撃の巨人 123話のあらすじと感想です。
前回の記事はこちらです。始祖ユミルの過去、巨人の誕生等の経緯が明らかになります。
ついに地鳴らし発動
壁外の調査
ミカサが回想する形で始まり、エレンとミカサ達は船に乗って壁外の調査をする為、海を渡っています。ミカサはエレンの横顔を見ながら、エレンが変わったとみんなが言うが、あれがエレン本来の姿だとしたら、エレンの何を見ていたのだろう、と回想しています。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
続いてエレン以外のコニー、ジャン達第104期メンバーも船の上で会話をしていますが、壁外の調査を前に緊張しています。さらにハンジは、これこそが元より我々に課せられた仕事だと言い、いよいよマーレ大陸に上陸します。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
マーレ大陸に上陸した調査兵団は初めて見る車に、馬や牛のようなものだと勘違いして、あげくニンジンまで買おうとしています。全員、外の世界で見る物に興味津々ですが、目立ち過ぎているのでリヴァイが渋い顔をしています。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
次は初めて見るアイスクリームを買って第104期メンバーはまた目立っています。エレンだけは父親の記憶でアイスクリームを知っていますが、収容区のエルディア人は滅多に食えない物だと言い、エレンは暗い表情になってしまいます。一方、リヴァイはピエロからちびっ子ギャングと言われて、甘いキャンディを勧められていますが渋い表情です。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
お店で売っているものに夢中になっているサシャですが、少年に財布をすられてしまいます。リヴァイが少年の右手をつかまえて、それはお前のサイフじゃねぇぞと注意しますが、周りの大人達がスリだと騒ぎ立てます。大人達はスリの少年を海に放り投げよう、右手をヘシ折ってやろう、等と過激な罰を与える話をし始めます。サシャが自分の財布は無事だし、やり過ぎだと抗議しますが大人達は俺達の問題だと引きません。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
さらに少年を、何より国を追われた移民なら「ユミルの民」かもしれないと言い、大人達はスリの少年を悪魔の血が紛れているかもしれないと、許そうとしません。青ざめて怯える少年を見たリヴァイは、サシャの弟だと言って少年を助けようとします。少年を抱えて大人達から逃げたリヴァイ達ですが、逃げているどさくさに少年はリヴァイの財布を盗んで行ってしまいます。ただ、リヴァイはアズマビトからもらったこずかいだとあまり気にせず、少年を許します。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
保護団体に期待したが…
場面変わって、アズマビトの屋敷で昼間の少年の話をすると、血液検査の技術向上に伴い世界中で収容から逃れたユミルの民の存在が問題になっている話を聞かされます。そしてハンジ達が目指している友好を図り、和平の道を探る道は極めて困難だと言われます。調査兵団は明日行われる国際討論会に登壇する「ユミルの民保護団体」に、和平の道を期待します。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
一方、アズマビトの屋敷での話し合いから勝手に姿を消したエレンですが、昼間の少年が住んでいる場所にいました。市場の少年は戦争で居場所をなくした人達が集まっている場所で暮らしていました。エレンは少年の境遇を見て、自分がかつて壁内で全てを奪われた過去を思い出します。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
そしてミカサに、どうしてオレのことを気にかけてくれるんだ、オレは…お前の何だ?とエレンは質問します。顔を真っ赤しながらもミカサはエレンに家族と答えますが、そこに市場の少年と一緒にいた人物がエレン達をもてなすと言ってきます。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
そこにジャン達第104期メンバーも加わり、一緒にもてなしを受け酒がすすみ大宴会となります。リヴァイやハンジ、オニャンコポンがエレン達を見つけた時には、酒に酔いつぶれた状態で見つかります。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
そして国際討論会、「ユミルの民保護団体」が演説を行いますが、その内容はユミルの民と世界との和平を望む内容ではありません。難民の援助は求めるが、エルディア島のユミルの民は憎むべき島の悪魔だと言い、「ユミルの民保護団体」は対話が出来る団体ではない事が判明します。和平の道が望めない事を知ったエレンはこの後、調査兵団の元を去りジークに全てを委ねると書いた手紙をリヴァイ達に送り、マーレ強襲を強行します。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
始祖を掌握したエレン
場面は再び現在の世界に戻り、エレンは未だ骨だけですが巨人化を始めています。そして壁中から出てきた多数の超大型巨人が歩き始めています。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
アルミンはエレンが始祖の巨人を掌握し、地鳴らしを発動したのだとミカサに大声で言います。マーレに集まっている連合軍を潰すつもりだ、エレンは味方だ!!とアルミンはミカサに言いますが、ウォールマリアの壁まで崩壊している事に気付きます。マーレの連合軍を潰すだけならシガンシナ区外壁の数百体だけで十分なのに、壁を失ってまで攻撃する事にアルミンは驚きます。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
その時、ミカサとアルミンの頭の中にエレンの声が響きます。エレンは始祖の巨人の力を介し、全てのユミルの民へ話しかけている事を説明します。コニー、ジャン、ライナー、ピーク、ガビたちも座標に意識が移動し、エレンの話を聞いています。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
エレンはパラディ島にある全ての壁の硬質化が解かれその中に埋められていたすべての巨人が歩き始めたこと、自分の目的が生まれ育ったパラディ島の人々を守る事だと話します。
しかし世界はパラディ島の人々が死滅する事を望んでいて、すべてのユミルの民が殺され尽くすまで世界は止まらないだろうとエレンは話し、エレンはその望みを拒むと言います。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
最後のページの見開きで、エレンは壁の巨人はこの島の外にある地表を踏み鳴らす、そこにある命をこの世から駆逐するまでと、恐ろしい形相でユミルの民に話したところで終わります。
© 諫山創 進撃の巨人 123話より
まとめ
エレンが以前、マーレ大陸に潜入して「ユミルの民保護団体」にパラディ島と世界との和平の道を期待していた過去が判明しました。しかし、「ユミルの民保護団体」は和平を交渉できるような相手出ないとエレンは分かり、以降ジークと組んでマーレ強襲を行い「戦鎚の巨人」を手に入れています。
そして、時間軸は現在に戻りいよいよ始祖の力を手に入れたエレンは、壁の巨人を使って地鳴らしを行います。エレンの望みはパラディ島の人々を守る事でしたが、そのためにパラディ島の外の人間すべての命を駆逐すると言い始めます。
確かに22巻 90話のラストで「向こうにいる敵…全部殺せば…オレ達自由になれるのか?」とエレンは言っていて、この頃の考えをそのまま実行したように受け取れます。冒頭エレンは最初から何も変わっていなかったというミカサのセリフは、この事を指しているように見えます。
次回、地鳴らしが発動した後、エレンに制御されているはずの無垢の巨人が、兵士達を襲い始めます。
コミックス30巻は、12月9日(月)発売予定です。こちらから、予約、購入できます。
コメント