クエスト「エピローグ」8
突然の死
シィルはさらにランスに、戸棚の裏にランスの大好きな……ぱかぱか煎餅……、かくして、ます……、ランスはあったら、全部食べちゃうから……、後で……食べてくださいね……、とぱかぱか煎餅の事を気にしてその事をランスに話します。
シィルはちゃんと、夜寝る時はあったかくして下さいね……、ランス様、すぐ暑がって布団はがすから……、とランスの夜の寝相を心配し、
そして、ごはん……、バランスよく食べて下さいね……、好き嫌い、あんまりしないで……、とランスの食生活をシィルは注意します。
瀕死のシィルが布団や、ごはんの事を言うことにランスは怒り、うるさい!もう黙れ!と怒ります。死んだらしばくぞ!と無茶なことを言うランスに、うう……、ランス様……、ひどいです……、とシィルが言います。
しかし、でも……、えへへ……、と言った後に、ランスに、ありがとうございました……と言い、そしてシィルは無言になります。
話しかけても何も言わなくなったシィルに、ランスは返事をしない奴はむちむちの刑だぞ。シィル、聞いているのか……?とシィルに何でもいいので言葉を言わせようとしますが、シィルは無言のままです。
ランスはシィルの名前を呟いた後、強く、強く強く、シィルの体を抱きしめます。
魔王覚醒を始める
突然のシィルの死、それは戦勝記念パーティの祝宴を楽しむ皆に、途方もない衝撃を与えます。しかし、事件はそれだけでは収まりません。ランス城の中にある客室から、人の物とは思えないような悲鳴が響いています。
ウルザがメイド達に早く、もっと大量のヒラミレモンを持ってくるように指示を出しています。こんなのじゃ全然足りません!と大声を出していて、事態は切迫しているようです。
ウルザの言葉に驚きながらも、メイド達が慌ただしく廊下を走ります。
部屋では大量の鎖でベッドに縛り付けられた美樹が、体を大暴れさせてもがき苦しんでいます。現在、ランス城では美樹の魔王への覚醒が刻一刻と迫っています。
よりによって、人類が魔物に初めて勝利したこんな日に、なんて……、もし……神がいるとしたら……、それは随分と意地の悪い神のようね、とこのタイミングで美樹の魔王覚醒が始まった事にクリームも皮肉を言わずにはいられません。
その一方で、健太郎が美樹にヒラミレモンを食べるように一生懸命話しかけています。しかし半ば無理矢理押し込むように、健太郎が美樹にヒラミレモンを食べさせても、普段ならそれで収まる筈の魔王化の発作は、なんの変化ももたらしません。
まとめ
ランスが必死に話しかけましたが、結局シィルの傷は深くそのままシィルは亡くなってしまいます。シィルの死は皆に途方もないショックを与えますが、さらに事件は続きランス城の客室にいた美樹の魔王化の発作が突然始まり、普段なら魔王化をおさえる筈のヒラミレモンを食べさせても全く効かずこのままでは魔王として覚醒してしまいそうです。
次回、美樹の魔王化をなんとか止めようとします。
前回の記事です。
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