別冊少年マガジン 2019年9月号に掲載されている進撃の巨人 120話のあらすじと感想です。
前回の記事はこちらです。始祖の巨人の力をめぐるマーレとの戦争は、ますます激化していきます。
父グリシャの記憶
パラディ島の現状
エレンがレベリオ収容区を強襲する前の回想です。エレンとジークはボールを投げあいながら、必ずみんなを救ってあげようと、今後の事を話しているようです。そこでエレンは病院暮らしで体が鈍ったのか、ボールを落としてしまいます。ボールを拾ったエレンは、再びジークを見ます。この時、向かい合うエレンとジークは何を思うのでしょうか。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
再びパラディ島に場面はうつりますが、街のいたるところでジークの叫びで巨人となった元兵士たちが、マーレ兵を食っています。サシャの家族たちは建物の中に身を潜めて、何とかやり過ごそうとし、ニコロはライフルを構えて外の様子をうかがっています。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
壁上ではミカサとアルミンが車力の巨人相手に、戦闘を行っています。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
ファルコの巨人は蒸気を出しながら地面に倒れていて、ライナーの鎧の巨人はエレンを追いながらも、ジャンとコニーに襲われています。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
ガビはライフルを撃った衝撃で後ろに吹っ飛び、その背後では吹き飛ばされた頭部をジークがなんとか受け取ろうと、懸命に腕を伸ばしています。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
悲痛な表情で弟であるエレンの頭部を受け止めようとするジークです。しかし、エレンの頭部はライフルで撃ち抜かれて完全に、胴体から吹き飛ばされています。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
様々な記憶が蘇る
ジークがエレンの頭部を受け止めた瞬間、様々な記憶がフラッシュバックのようによみがえっていきます。エレンの記憶や、グリシャの記憶、さらに見た限りでは他にも巨人化能力を保有していた色々な人間の記憶が駆け巡り、気が付くとエレンはどこか別の場所に立っています。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
全ての「道」が交わる座標
エレンが独り言をつぶやいていると、いつの間にか後ろにいたジークが、ここが全ての「道」が交わる座標だと教えてくれます。そしてここは始祖の力を継承した王家が来る場所だろうともジークは推測します。クビを鎖につながれたジークはエレンがガビに撃たれた後、何年もここで待っていたと言います。エレンの首が吹っ飛ばされた後、エレンが絶命する前にジークと接触し、二人は始祖の力を手に入れることが出来たとジークが言っていると、エレンの背後から誰かが近づいてきます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
警戒するエレンですが、ジークは彼女を始祖ユミルと言い、心配する必要はないと言います。彼女がユミルだと何故わかるとエレンは疑問を口にしますが、ジークは始祖ユミルさん以外にこんな所をプラプラ歩いている人は他にはいないと言います。そしてジークはエレンに、始祖ユミルに命じるんだ、俺達の夢を叶える時が来た、と言います。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
エレンはそれには答えず、ジークに首の鎖に関して質問します。するとジークは首の鎖はジークの自由を妨げるもの、つまり王家の者たちを縛ってきた「不戦の契り」だと言います。ジークはここでは自由に動けないらしく、自由に動けるエレンが始祖ユミルに命じるようにジークは言います。始祖ユミルに、すべてのエルディア人を今後永久に子供を作れない体にしろと命じ、「地鳴らし」で連合軍を潰すのは後で言いとジークは言います。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
しかしエレンはここで、ジークにすべてのエルディア人を安楽死にするようなふざけた計画は到底受け入れられないと、ジークに話を合わせていただけだと言ってジークを裏切ります。エレンの裏切りに顔を覆って落胆するジークは、エレンが何故この計画を理解できないのか、なぜだとエレンに問いかけます。エレンはオレがこの世に生まれたからだ、とジークに答え、そして始祖ユミルに力を貸してくれと話しかけます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
しかし、始祖ユミルはエレンには応えず、無視してジークの元に歩いていきます。ジークはやっぱりエレンが裏切ったことに落胆し、エレンだけはわかってくれると、信じたかったと言います。グリシャ、あの父親に洗脳されたせいなのか?とジークは悲痛な表情を浮かべます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
エレンは始祖ユミルがジークの前に歩いていったことに驚きますが、ジークは自分の首の鎖を自ら破壊し、自分は歴代の壁の王と違い初代王の思想に染まらぬままここに到達した、そして気の遠くなる時間を始祖と共に過ごす中で、「不戦の契り」を無力化したとジークは言います。始祖ユミルの正体は自分の意思を持たぬ奴隷で、王家の血を引くものを自分の主人だと思い込み服従するそうです。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
始祖の力を手に入れたジークは、今度はエレンの手を鎖で縛り、エレンを最悪の父親に生み出された哀れな被害者だ、だから俺が始祖の力でお前を直してやると言い、ジークは自分の額をエレンの額とあわせます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
グリシャの記憶
エレンとジークは、エレンが生まれたばかりの頃のグリシャの記憶の中にいました。幸せそうなグリシャに、ジークは仲間や「以前」の家族を地獄に突き落として生き永らえてるにしては、と皮肉たっぷりに言います。ジークはグリシャ・イェーガーがエレンにいかに民族主義を植えつけたか、グリシャの記憶をわかるまで見せてやると言います。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
次の記憶に行く間際、ジークは幸せそうなグリシャに1回目の家族を一切忘れて幸せを享受するあんたを誰も咎めないと、複雑な表情をしながらグリシャに話しかけます。当然グリシャには聞こえておらず、エレンもそんなジークや幸せそうな家族を見て表情を濁らせます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
続いてグリシャは裕福そうな男性を診察している記憶です。ジークは医者の肩書を利用して壁の権力者に擦り寄りだしたと言い、グリシャがエルディア復権のために妻や息子を棄権に巻き込んでいると言います。エレンはグリシャに幻滅した、オレは間違っていた、洗脳が解けたよ、と言いますが時間は無限にあるので焦らなくていいとジークは結論を急がないように言います。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
そして次々とグリシャの記憶を辿っていくと、とうとうグリシャは壁の王の根城、レイス家の礼拝堂、そして礼拝堂地下へと続く通路を見つけます。ジークはグリシャが始祖を奪ったのは壁が破壊された日のはずで、まだ何年も前なのに既にグリシャが始祖の力の居場所を見つけたことに驚きます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
グリシャはレイス家の礼拝堂地下にはそれ以上踏み込まず、妻と息子が待つ家にかえります。ジークは復権派の使命を中断するくらい二人目の息子が愛されていたと感じ、また自分の時との違いにショックを受けているようです。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
その時、グリシャは寝言でジークの名前を呼んだあと目を覚ますと、見えないはずのジークに向かってジークの名前を呼び、そこにいるのかと問いかけます。その後、グリシャはジークがあんな髭面のおじさんなわけないだろ?と自分を納得させ、ただの夢だと自分に言い聞かせます。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
驚愕の表情をうかべるジーク、そして次の記憶へ行くように促すエレンです。
© 諫山創 進撃の巨人 120話より
まとめ
前回、ガビのライフルで頭部を吹っ飛ばされたエレンでしたが、ぎりぎり絶命していなかったおかげか、無事?エレンとジークは接触し、始祖ユミルがいる空間にたどり着けることが出来ました。そしてアルミンの予想通り、エレンは安楽死計画に本心では賛成しておらず、ジークを裏切り始祖ユミルの力をエレンの意思で使おうとします。しかし、既にジークは「不戦の契り」を無力化しており、始祖ユミルの力を手にしていました。ジークはエレンが父親に洗脳されていると思い、グリシャの記憶を見せることでエレンの洗脳を解こうとします。が、逆にジークにとっても予想外のグリシャの過去が見られそうです。
次回、謎だった「進撃の巨人」の能力、特性が明らかになります。
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