週刊少年サンデー 2019年25号に掲載されている湯神くんには友達がいない最終話のネタバレ、感想です。いよいよ完結です。
前回の記事です。
卒業、大学生活、そして完結
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
ビザ宅配、アルバイト湯神
前回、卒業式では湯神とちひろは笑顔で別れましたが、それから1年湯神は大学では野球部の寮に入って、野球を頑張っていたはずです。しかし門田経由で、湯神は野球を辞めたと知らされます。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
ちひろや久住、百瀬たちは部屋に集まって、お茶を飲みながら湯神が野球部を辞めた話題で盛り上がっています。そこに頼んでいたピザが届いてちひろはピザを受け取りに、湯神が野球部を辞めた理由を考えながら玄関まで出ていきます。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
玄関に向かいながら去年の秋に湯神の野球の試合を見に行った時、大学でもチームメイトと揉めていたことを思い出し、野球部を辞めたのはそれが原因ではと推測します。玄関を出てピザを受け取ろうとすると、サービスのポテトは体に悪いと言わなくてもいい一言を言う、ピザ宅配のアルバイトがいました。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
何故かピザ宅配のアルバイトをしている湯神がそこにいました。久しぶりに会った二人ですが、湯神は代金を貰うと何事もなかったように、次の配達に向かいます。唖然とした表情のまま、部屋に帰っていくちひろです。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
部屋に帰って、皆に湯神がピザ宅配のアルバイトをしていたと伝え、その話題で持ちきりになります。しかし湯神とはろくに話も出来ず、妹の裕子に聞いてみてもよく知らないようで結局、詳細は分かりません。湯神は携帯を一度投げ捨てたため、ちひろは連絡先も知らず悩んでいると、湯神の方からちひろに会いに来ました。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
何故か、平楽の落語独演会へ
ピザの件で食べ過ぎると太るよと、湯神は皮肉を言いつつ平楽の落語独演会のチケットをちひろは渡されます。大好きな平楽のチケットを自慢されているだけかと勘違いするちひろですが、湯神はチケットを上げると言い一緒に平楽の落語独演会に行くことになります。湯神が何でもないのにチケットをくれるという予想外の出来事に、困惑を隠せないちひろは当日も困惑したままです。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
しかし、独演会の前になると湯神は高校の時と変わらず嬉しそうにしている事に安心して、落語が始まるまで簡単な世間話をします。ちひろは何故野球部を辞めたのか理由を聞こうとしますが、湯神から返事をもらう前にちょうど落語が始まってしまいます。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
高校の時と変わらず平楽の落語を楽しんでいた湯神ですが、独演会の帰り道では何故か急に元気がなくなり、がっかりしています。ちひろが何かあったのか聞いても、湯神は別に…、いつも通りだよ、と言いますがあきらかにがっかりしています。戸惑っているちひろに湯神はまた平楽の落語独演会のチケットを渡し、また一緒に独演会に行くことになります。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
ちひろはお茶をしながら藤沢に相談しますが、藤沢は一人暮らしをするなかで己を顧みる余裕が出て、大切な唯一の友達にやっと気付けたから、ちひろを誘っているのではといいます。釈然としないちひろですが、独演会に行くと落語を聞いている最中は嬉しそうですが、独演会から帰る時になるとがっかりして元気をなくしています。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
大切なお友達
ちひろはあらためて野球部を辞めた理由を湯神に聞くと、やりたい事があって両立が厳しく忙しくなって、辞めたと言います。ちひろはやりたい事を聞くと、友達になりたい相手が見つかったと言い、ちひろの方に振り返ります。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
緊張するちひろに湯神は友達になりたい相手とは「宇宙人だよ」と斜め上の回答をします。思わず間抜けな声を出して聞き直すちひろです。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
地球が誕生して46億年、人類はこの広大な宇宙で未だにひとりぼっち。だから俺は人類に友達を作りたい、と湯神は熱く語ります。ちひろは人類より先に自分に友達を作ったら?といいツッコミを返します。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
久住や百瀬たちにも湯神が宇宙飛行士を目指している事を伝えると、全員びっくりし湯神は野球部の寮に入っていたからプロでも目指すと思っていたと言います。ちひろは湯神が野球部の寮に入っていたのは、体力づくり、集団生活の体験など宇宙飛行士になる為に繋がっていて、湯神のやる事には意味があるとちひろなりに理解します。だから自分を落語独演会にわざわざ誘うのも、何か意味があるんだろうと感じます。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
聞かせたかった新作落語とは
湯神から誘われて落語独演会に行くようになり、3か月となりいつも通り平楽の落語を聞いているとちひろは平楽と目が合ったような気がします。平楽とお茶をした高校時代を懐かしく振り返っていると、平楽はどこかで聞いたようなセリフがある落語をし始めます。「俺には友達なんて必要ないね」というセリフを言う人物が主人公の落語です。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
その平楽の噺が始まると、湯神は満面の笑みをちひろに向けます。ちひろは湯神がずっと自分を誘っていたのはこの噺を聞かせたかったからだと納得します。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
高校時代、平楽とお茶した時いろいろ聞かれたことが、平楽の落語に活かされている事を知り、また湯神の考えも理解できた事でちひろも自然と笑顔になります。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
夜、独演会の帰り道で湯神は去年の冬に初めてあの噺を聞いた時は感動と興奮でいても立ってもいられず、色々な人に話したと言います。しかし皆が理解してくれず、家族からは妄想と言われる有り様で、誰も信じてくれなかったと落胆する湯神です。ちひろは目的を言ってくれればよかったのにと湯神に言いますが、湯神は予測してないところからくる方が感動すると言い、あの噺が聞けるか分からないので、何年かかかる事も覚悟だったようです。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
ちひろはそんな長期戦で考えていたのなら、ずっと聴けなくてもよかったのにという言葉が頭にうかんだところで、もう湯神と会う理由がなくなってしまう事に気付きます。あの噺を聞いてしまったので、湯神はもう自分を誘わないだろうと。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
友達だから?
が、そんなちひろの予想を裏切り湯神は来月の平楽の落語独演会のチケットを渡してきます。湯神はあの噺は進化していく、ここからどんどん作り込まれていくからだと言い、平楽の進化は止まらない、ずっとと言います。ちひろは思わず、ずっとって、ずっと平楽の落語に一緒に行くの?と湯神に聞きます。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
ちひろは友達だから?と尋ねます。すると湯神は友達ではないけど、友達の部分は否定しますが、行こう一緒に、とはっきりとちひろを誘います。ちひろは、湯神のすることには意味があるけれど、この誘いにはどういう意味があるんだろうと思いつつ、「うん」と返事します。今後も湯神とちひろは一緒に平楽の落語独演会に行くようです。
©佐倉準 湯神くんには友達がいない 最終話より
まとめ
週刊少年サンデーSの連載開始から7年間、途中で週刊少年サンデーに月イチ連載で移籍しましたが、とうとう最終回を迎えました。この作品のコンセプトである「湯神くんには友達がいない」は、結局最後まで守られて湯神くんには友達がいませんでした。しかしちひろは友達ではないですが、一緒に行こうと平楽の落語に誘われ続けます。この意味は結局最後までぼかされていますが、湯神とちひろの仲はずっと続いていきそうですね。
最終16巻は、発売中です。
コメント
途中のロシア語は「愛してます」に近いニュアンスらしいね。
そして最後の絵は『月が綺麗ですね』。
ありがとうございます、「ロシア語もちゃんと習ってる!」と言っている場面の所ですね。
なるほど、この場面でもちひろに意味深なセリフを言っていたんですね。
その後のおまけ漫画も15ページくらいあったり、裏表紙にあった漫画や湯神とちひろが居酒屋で酌を交わしてたり単行本のおまけも最高でした。
はい、おまけ漫画も充実してたし、後日談でちひろが思いの外 野球好きになっているのが見れたりと、充実してて、私もすごく満足でした。