ハルタ 2019年 volume 64に掲載されているヒナまつり 八十八話のネタバレ、感想です。
前話、八十七話の記事です。瞳が文化祭の劇を頑張っていたつもりが、会長職に近づいてしまいます。
平成の怪物対CEO、決着は
変わる未来
新田がニュースをチェックしていると、瞳がCEOをしている会社がアメリカ1位になっていたり、超人フィットネスが中国の超人拳法まで勢力を拡大したりと、瞳が超人会設立に関わりそうな未来がどんどん近づいています。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
そんな時、何故かアメリカにいるはずの瞳が日本に帰って来ていて、新田の家にまできています。そして瞳はとんでもない事になっていると新田に訴えます。新田はどうした?と聞いてみると、アツシがアメリカにまでわざわざ来て、超人フィットネスは中国に続きアメリカにも進出したいと言い始め、瞳の力を借りたいと言います。アツシは日本で駄目なら世界だろ!?と瞳にとって訳の分からない事を言い始めます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
超人フィットネスに関わりたくなくて日本を飛び出してアメリカに行ったのに、今度はアメリカまで追いかけてきて、瞳は逃げ場がないと泣き出します。流石にかわいそうと思う新田はハルに相談してみる、とヒナ経由で連絡します。ハルは確かに日本に関しての未来が変わったようだと言いますが、今度は舞台が日本でなくアメリカになったのでハルは介入しづらいのと、元々ハルは日本の内戦をどうにかする為に来たので対応が難しいところだ、とどこか他人事です。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
皆他人事で真剣みにかけていて瞳は困り、新田に上目遣いでお願いして何とか新田も巻き込もうとします。しかし新田は煮え切らない態度で、でもー、と頼りになりません。結局新田の家を出たところでアメリカの会社の人間に確保され、強制的に会社に連れ戻されます。瞳は何故自分だけ苦しまなければならない、そもそも超人会の関係者は全員新田の知り合いで、瞳がここまで働いているのも新田のせい(第四話参照)、とだんだん新田が責任を放棄している態度に怒りを覚えてきます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
怒れる瞳の逆襲
そして瞳CEOの逆襲が始まります。瞳は絶対に新田に誓わせてやるとすごい表情で決意します。
場面変わって、新田が経営している自分の会社をチェックしていると飲食グループの会社の収益が軒並み下がっている事に気付きます。部下に確認すると似たような店が突然現れて、新田のグループ会社を妨害しているようです。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
部下を叱責しつつもどこか余裕の新田は、自分に手を出してきた奴に思い知らせてやると言い、こんなの丁度いい刺激だぜ、とかっこいいセリフを呟きます。しかしその後も飲食分野だけでなく、新田が手掛けている事業が次々と狙い撃ちされていき新田の会社は潰されていきます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
部下からこのエゲつなさ、再び関西のスジモンが戦争を仕掛けてきたと言います。しかしこの人間離れした辣腕ぶりに新田の頭に、ふと瞳の顔がうかびます。瞳に電話して確認すると、あっさりと認めます。新田は必死に何が目的か確認しようとしますが、ガチギレされて電話を切られます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
新田の事業が潰されている話は組長も知っていて、組としても見過ごせないと新田に話しますが、新田はあくまでも冷静に振る舞い、既に誰が黒幕かは分かっていると言います。そして自分には自分のやり方があると組長たちに自信をもって言います。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
インテリヤクザらしく、経済戦争らしいやり方ってもんがあるんですよ、とカッコよくセリフを決める新田です。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
部屋を出た瞬間、そそくさと電話をかけ始め瞳に敬語を使いながら、今までの自分の態度を詫びるように未来を変えるお手伝いをさせて欲しいとへりくだる新田です。しかし新田の手伝うという表現が、いまだにどこか他人事と瞳にはうつったのかもうしばらく反省するように言われます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
どんどん追いつめられる新田は、最後に残った金融業を自ら動き守ろうとします。しかし第十八話で出てきた社長と思われる人物も、別の会社に乗り換えると言い出しています。新田は社長を自ら脅して、自分がヤクザだという事を露骨に前面に出します。しかし、平成は終わった、次は令和だよと、社長に上手いことを言われ新田の会社との契約を打ち切ってしまいます。表面上はキレながらも、新田は内心上手いこと言ったなと同意してしまいます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
組の下っ端も瞳の会社で仕事をもらえて喜んでいるようです。こうして瞳に全てを奪われていき、周りの人間にも去られて為す術がありません。瞳の怒りにあった人間の末路に新田は恐怖を感じますが、どうやって許しを請えばいいか分からずただ酒に溺れます。ヒナにまで同情されますが、新田は自分にとって最後のオアシスに救いを求めます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
新田の心のオアシスまで
アンズの屋台で、アンズが作ったラーメンを食べる、これで新田はまだ生きていく事が出来ます。しかしここにも瞳の魔の手は及んでいて、アンズに店を出す出資をしたいと言ってきた人がいると言い、この話受けたほうがいいかと新田に相談してきます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
アンズは出資の話を新田に相談しつつも、どこか乗り気です。すでにアンズも乗っ取られそうになっている現実に、新田の視界はぐにゃり、と歪んでいきます。ただ頑張っている姿を見て、愛でていただけなのにと思いつつ、自分を完全に殺しに来ている、殺される!!と新田は感じます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
あまりの動揺に情けなく転んでしまう新田の前に、瞳が現れます。サングラスにコートを着て、それっぽい恰好をしている瞳とは対照的に、新田はただ情けない悲鳴を出すのみです。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
ここで瞳は新田にふたつの選択肢を提示します。このまま地べたを這いずるか、自らの意思で未来を変えると誓うか、どちらかを選ぶように迫ります。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
表面上は新田に自由な二者択一を迫っていますが、既に新田に選択権は無くただただ諦めた笑い顔を浮かべながら答えます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
新田は未来を変えるために生まれてきた、と存在理由すら瞳にあわせてしまいます。ここに瞳の忠実なる下僕が誕生しました。しかし、瞳はここで冷静に「そこまでは求めていないよ」と新田にツッコミます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
そこまで求めていないと言われると、どこかの某アニメのように「イエスマイロード!!」と返事をします。新田は既にどこまでの瞳の忠実な下僕です。瞳が日本で手掛けた事業は新田がそのまま受け継ぐように言われ、下僕は「御意!!」と二つ返事です。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
しかし忠実な下僕もアンズの事となると意見をし、閣下の力は重々承知してますが、アンズ嬢の支援はいかがかと、下々の存在は気にする必要はないと、アンズの事は放っておいて欲しいと懇願します。芝居がかった新田の振る舞いに、こいつ実はまだ余裕ない?と疑いますが、アンズの事に関しては新田に任せます。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
さらば平成の時代よ
芦川組の組長、組員は全員新田が最終的に全てを手に入れたことに、さすが新田だと褒めたたえます。しかし当の新田は笑顔をうかべつつも、心ここにあらずです。新田は「平成の怪物」と恐れられていましたが、平成の時代と共に「平成の怪物」も過去のものとなり、令和の時代では女子高生の下僕となってしまいました。
© 大武政夫 ヒナまつり 88話より
まとめ
最初、瞳は超人会が再び自分に迫ってくるので新田に助けを求めましたが、新田はスルーします。この新田のスルーに瞳がガチギレし、新田を追い詰めていきます。新田の経営する会社を全て乗っ取り、最終的に気持ち悪いくらい溺愛していたアンズにまで手を出します。
最終的に心を折られた新田は、人通りがある道路のど真ん中で女子高生にひざまずき、イエスマイロード、とか御意とか言い出します。新田はアニメとか結構見ているのでしょうか。
次回、瞳の事業を引き継いだ新田は多忙になってしまい、家に帰れず家の家事に手が付けられなくなってしまいます。
ヒナまつり、最新刊16巻は発売中です。
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