クエスト「エピローグ」5
落ちぶれた冒険者 バード
何年かぶりに再会したバードにシィルは驚きますが、バードの方はシィルに再開できたことに喜び、会えて嬉しいとシィルに話します。
バードが元気そうで良かった……とシィルが言うと、シィルは相変わらず優しいなぁと笑いながら答えます。そしてバードの会話の話題はランスに移ります。
ランスが世界の王になった事に触れて、ランスに初めて会った時はこんなに立派になるなんて、ちっとも思わなかったと、ランスに初めて会った時の感想をバードは話します。そして、正直ランスの立場が同じ男として羨ましい……、キラキラ輝いて見えるよ、とバードは本音を漏らします。
バードは、最近自覚したんだけど僕、ヒーローシンドロームって奴なのかも知れないんだ、と言い出します。続けて、自分が英雄になりたいって願望だけが強くて、力もないのに出しゃばる格好つけって意味だよ、とバードは自分をかなり自虐的に語ります。
そんな英雄になりたいって願望だけの自分と違い、ランスが本当に英雄になった事を、羨ましい、すごいとバードは言います。昔はいつか決着をつけてやる……、と言っていた事もあったけど、今じゃもう無理かな……、とランスと自分に差が開いてしまった事をバードは一方的に語ります。
バードの不穏な気配に…
そんないつも通り穏やかな表情ながら、バードの言葉では言い表せない、何か不穏な気配を感じ取り、シィルは後ずさりします。
シィルは、す、すみません……、とバードの話の途中ながら、戻らないとランスに叱られることを理由に、この場を離れてようとします。しかしバードは、もうちょっといいじゃないかと、シィルを引き留めます。バードの口調は穏やかですが、シィルの手を掴んだその力は振りほどけないほどに強い力です。
バードは強引にもうちょっとだけいいでしょ?とシィルを引き留め、再び自分はランスが羨ましい、自分がなれなかったヒーローに……、本当の英雄になった男だ……、とランスに対して激しい嫉妬を露わにします。
その時、バードの左腕の義手が充填を開始し、充填率がどんどん上がっていきます。
左腕の義手が充填している間もバードは、本当……、本当に羨ましいよ……、本当に、ね……、とランスへの激しい嫉妬、憎しみを口にします。
バードがなりたい英雄になったのが…、あのランスだった事、いつも自分の邪魔をするあのランスだった事が、バードの嫉妬、憎しみをさらに激しくします。
そして充填率は50%に達します。
まとめ
最初は穏やかな口調でシィルとバードは話しますが、話をしているうちに徐々に不穏な気配を出し始め、シィルもその気配を感じとります。シィルは気配を感じ取って、バードから離れようとしますが、既にバードはランスへの激しい嫉妬と憎しみから、狂気じみた行為を始めます。しかし戦勝記念パーティで、義手の武器を充填し始めるなんて大胆過ぎます。
次回、シィルがバードの左腕の機会に気付き止めようとします。
前回の記事です。
コメント